CueMol2応用編動画、構想できたよ

CueMol2動画の応用編の構想がひとまず終わりました。

・原子間の距離を測る
・原子間の相互作用を点線で表す
・Object, Renderer, Camera のコピー&ペースト
・分子重ねあわせ
・分子表面の生成
・溶媒接触表面など分子の断面の生成
・APBSによる静電ポテンシャルマップの生成

までは動画で扱いたいと思います。
応用編ということもあり扱える内容が広く、コンテンツの取捨に非常に迷ったのですがひとまずここまでで。
いやあ、もっと入れたいところですけどね!


↓以下が動画の吹き出し(予定)です。
次回から動画撮影に入りたいと思います。

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【応用編】
■原子間の距離を測る 
・モデルを simple Renderer 表示にします。
・分子ビュー上部の Home タブを Measure タブに切り替えます。
・距離を測定したい二原子をクリックすると原子間に点線が引かれ、間の距離が表示されます。
・画面下部の Log window に,選択した各3原子の原子名と距離が出力されます

・同様に Measure 機能で、3原子で作られる角の角度を測定することができます。
・Distance ボタンを Angle ボタンに切り替え、原子3つを選択します。
・原子によって作られる角の大きさが表示されます。

■相互作用を確認する(点線とか) ○
・Scene パネルを開くと、このように表示させた角度や距離が measure という名前の Renderer に作成されていたことがわかります。
・この Renderer の名前は Distance, Angle タブの横のドロップダウンリストから設定できます。
・ ドロップダウンリストで新しく Renderer の名前を設定し、原子間の相互作用を新しい Renderer にまとめることができます。
・Scene パネルからいま作成した measure Renderer を右クリックし、Style から点線の形状を変更することができます。
・Properties > Interaction から詳細な形状を設定できます。

・相互作用 Renderer に含まれる原子をあとから削除することができます。
・measure Renderer を右クリックし、Edit Interaction List... を選択
・外したい原子を選択し、赤い Delete ボタンを選択 OKを押す

■Object, Renderer, Cameraのコピー&ペースト
・CueMol 2.0.1.145以降では,Object,Renderer,Camera を Scene 内・または Scene 間でコピー&ペーストすることができます。
・複数のファイル間で Renderer や Camera の設定を共有し、ファイルを比較するのに便利です。

・Object のコピー&ペーストは同一 Scene 内で同じ Object (分子モデルや分子表面、静電ポテンシャルマップなど) を複数使いたいとき、別の Scene から Object を複製したいときに便利です。
・Scnene パネルで目的の Object を右クリックし、"Copy Object" を選択
・貼り付ける先の Scene を右クリックし Paste を選ぶと、コピーした Object が貼りつけられます。 ※図示はヘモグロビンとか?

・Renderer をコピーする場合も、 Scene パネルから項目を右クリックし "Copy" を選択
・貼り付ける先の Object を右クリックし "Paste Renderer" を選択
・新たな Renderer が追加され、表示すると●●分子も先ほどのように○○モデルで表示されます。

・Camera も Renderer と同様にコピー&ペーストできます。
・異なるファイルの分子を同じ位置・視点の条件で見たいときに便利です。

■Material等POV-Rayを用いたレンダリング
できない!!後回し

■分子重ねあわせ ○
モデリングpdbファイルを準備すること。
・ファイルを2つ用意し、Edit > Mol superposition をクリック
・Reference の Molecule に動かさない方の pdb ファイルを、Moving の Molecule に動かしたい pdb ファイルを選択します。
このとき、Algorithm(重ねあわせの方法)にLeast Square Fitting (LSQ) を選択すると、

・タンパク質以外に核酸分子など、どのような分子の重ね合わせにも利用できる
・重ね合わせるべき原子を正しく指定しないと機能しない

方法で重ね合わせを行います。
各分子で選択されている原子数が同じになっているか
各分子の適切な部分が対応して指定されているか
に注意してください。

重ね合わせが成功すると、分子が移動しログウィンドウにメッセージが表示されます。


分子中の重ね合わせる部分を選択しておいて、その部分について重ね合わせることもできます。


AlgorithmでSecondary Structure Matching(SSM)を選択すると、自動的に二次構造が似ている部分を判断し重ね合わせを行います。


・タンパク質分子の重ね合わせにしか使うことができない
・重ね合わせる原子を指定する必要がない

のが特徴です。

■分子表面

CueMol2.0.1以降では分子表面を生成することができます。
分子ファイルを開いた状態で、 Tool > Mol surface generation をクリック

Target moleculeは分子を複数開いている場合に設定します。
分子の一部分について分子表面を作りたい場合、Selection にチェックを入れ、ドロップダウンリストから適当な箇所を選びます。

Densityの値が大きいほど、作成される分子表面のきめが細かくなります。
一方で計算や読み込みに時間やメモリが必要になります。

Probe Radiusは表面を計算する際のprobeの半径を表します。
値が大きくなるほど形のおおまかさが大きくなります。

OKを押すと分子表面が生成されます。
分子表面は Renderer として作成されます。
そのため、分子モデルの Renderer と同じように Color パネルから着色操作を行うことができます。
(着色については、動画「CueMol2でタンパク質の立体構造を見る・2」
http://togotv.dbcls.jp/20110913.html#p01 を参照)
またRenderer を右クリックし Properties から Opacity の値を小さくし透明度を下げると
分子骨格の上に分子表面を重ねて見ることができます。

(着色画像)

・分子表面を作成したとき、溶媒接触表面などの断面の画像を生成することもできます。
まず、視点の方向・視点の位置のZ方向並進を View パネルから調節し、スラブで分子表面が切断され中が見えるようにします。

・Tools > Mol surface cutter... を開きます
 切断する分子表面オブジェクトを選び
 切断面を生成するかどうかをチェックで選びます。
 チェックを入れると切断面を生成します。
Section mesh density で値を大きくすると、断面に生成する

■APBSによる静電ポテンシャルマップの計算
さらに分子表面を作成した状態で、静電ポテンシャルマップを描くことができます。
具体的には、作成済みの分子表面 renderer を静電ポテンシャルに応じた色分けにします。

静電ポテンシャルを計算するソフトとして別途APBS ( Adaptive Poisson-Boltzmann Solver )を、
さらに電荷・原子半径を割り当てたり、水素原子を付加して表示するには PDB2PQR をダウンロードする必要があります。

Windows では PDB2PQR の起動の前に
http://www.python.org/getit/
から Python をダウンロードしインストールしておく必要があります。

http://cuemol.sourceforge.jp/ja/index.php?cuemol2%2FAPBS_ElePot
からまとめてダウンロードすることができます。

それぞれダウンロードし適切な場所に展開、インストールします。

静電ポテンシャルを計算する分子と、表示のための分子表面を用意します。
「Tools > APBS eleplot calculation...」 をクリック
"APBS exe path:" に先ほどインストールしたAPBS実行ファイルを指定

電荷の割り当てに CueMol を使わず、ダウンロードした pdb2pqr を用いる場合は
"Charge calculation method" 欄の "Use PDB2PQR" を選びます。

生成する静電ポテンシャルの object に名前を与えます。

OKを押すと計算がはじまり、Sceneパネルに静電ポテンシャルマップの object が追加されます。

SceneパネルのScene下の "unitecell" renderer に、黄色い線による格子が新たに作られています。
この格子の内側は静電ポテンシャルマップの計算が行われています。
一度格子を確認したのちは非表示にして構いません。

次に、分子表面を静電ポテンシャルマップに従った着色に変更します。
Colorパネルから着色対象を分子表面の Renderer に設定し、
dropdown listboxの右にある三角印をクリックし,出てくるメニューの中から"Electrostatic potential"を選びます
"Color by SAS"というチェックボックスをonにすると、
分子表面が,Solvent Accessible Surface (SAS)すなわち溶媒分子の球の中心に相当する部分(すなわち図の表面部分から1.4Å離れた点)のポテンシャルにしたがって着色されるようになります。